宇宙食

宇宙食は、無重量状態の宇宙船内で安全に栄養を摂取するため、長期保存・軽量・無臭・飛散防止・栄養バランスなどの厳しい基準を満たすよう開発された食品です。その歴史は、1961年にガガーリンが食べたチューブ入りペースト状のものから始まり、ジョン・ヤングが無断でコンビーフサンドイッチを持ち込んだ事件をきっかけに改善が進み、アポロ時代にはお湯で戻すフリーズドライ食品が主流となりました。現在の国際宇宙ステーション(ISS)では、日本食や中華料理など各国の料理が持ち込まれ、種類は1000種以上に及び、若田光一飛行士も1996年と比べて種類が大幅に増えたと語っています。ただし、輸送コストが1kgあたり約8800ドルかかることや、船内の湯の温度が70~80度に制限されるなど、技術的な制約は今も存在します。将来の長期滞在や火星探査を見据え、宇宙空間での食料自給自足を目指した水耕栽培や閉鎖生態系実験(バイオスフィア2)などの研究も進められています。宇宙食は、NASAとロシアが供給する「一般食」と、各国が飛行士の希望に応じて開発し審査を受ける「特別食」に大別されます。