気象レーダー

気象レーダー:雨と風を見通す観測技術

気象レーダーは、アンテナから電磁波を放射し、雨や雪などの粒子に反射して返ってくる信号を分析することで、降水の位置・密度・風速・風向を観測するリモートセンシング技術です。1950年代から実用化が進み、アメリカでは1960年代にドップラーレーダーが登場、1980〜1996年にかけてNEXRAD観測網が整備されました。日本では気象庁が1954年に運用を開始し、1972年に全国カバー網が完成、2005年からドップラーレーダーへ、2020年からは二重偏波ドップラーレーダーへの更新が進んでいます。

レーダーには波長の異なるマイクロ波レーダー(雨粒観測、探知距離300km)やミリ波レーダー(霧や雲粒観測)、ドップラーレーダー(風向風速測定、ウインドシアやダウンバースト検知)、偏波レーダー(垂直・水平偏波の位相差から高精度な降水強度測定)など複数の種類があります。エコー画像の解析では、降水域が線状に並ぶラインエコーや弓状のボウエコーなどから前線や低気圧、積乱雲の構造を推定でき、台風の目や竜巻の発生予測にも役立っています。