年金

年金は、老齢者・障害者・遺族に対して定期的に給付される金銭であり、公的年金と私的年金に大きく分類される。歴史的には、1889年にドイツのビスマルクが世界初の強制加入の公的年金制度を創設したことが原点であり、国際労働機関(ILO)は老齢給付を65歳以上、30年以上の保険料拠出などと基準を定めている。日本の基礎年金は社会保険料を支払う「社会保険方式」を採用しているが、多くの諸外国では一般税収を原資とする無拠出制の年金(税方式)が一般的である。一方、アメリカでは強制加入の「社会保障」に一本化され、所得税と同時に給与税(12.4%)を徴収する一方で、税制優遇のある個人年金(IRAや401k)や企業年金が老後資金の重要な柱となっている。ただし、民間企業が販売する確定給付型の「アニュイティ」には終身給付の魅力がある一方、物価上昇による価値下落や払い込んだ保険料の一部が戻らないリスクもあり、長期的な資金計画には慎重さが求められる。こうした年金制度は、老後・障害・遺族への社会的保障として、各国の経済・歴史背景に合わせて異なる設計がなされている。