原油価格

原油価格は国際取引では1バレルあたりの米ドル($/bbl)で表記され、米国のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)、英国のブレント原油、アジアの中東産を示すドバイ・オマーン原油の三大指標が世界の市場を動かしています。これらの価格は需要と供給のバランスで決まりますが、産油国の紛争や投機資金、原油の品質(軽質・低硫黄のWTIは高値)や為替・輸送費の影響も強く受けます。

歴史を振り返ると、1970年代の二度のオイルショックで価格が急騰し、その後も2008年7月にはイラク戦争や中国などの需要増加で史上最高値となる1バレル147.27ドルを記録しましたが、金融危機で急落しました。特に2020年4月20日には、新型コロナウイルス流行による需要暴落と貯蔵施設不足を背景に、WTI先物価格が史上初のマイナス(1バレル-37.63ドル)で清算される異常事態が発生したことも特筆すべき出来事です。

現在の価格形成は主にニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)やICEフューチャーズの先物市場で行われています。一方、日本では東京商品取引所(TOCOM)の先物価格がアジア向け中東産原油の重要な基準として影響力を強めており、価格高騰は運輸業や農業など石油依存度の高い産業に大打撃を与える反面、省エネルギーや脱石油の流れを促す一因にもなりました。