IP放送

IP放送は、ブロードバンド回線を通じてIP技術を利用し、映像や音声を配信する放送サービスです。主なサービスは、視聴者が選ぶVOD方式(オンデマンド方式)と、放送局から一方的に送るIPマルチキャスト放送方式に大別され、通信と放送の融合の典型例とされています。

この分野では、2006年12月の著作権法改正により、IP網での同時再送信が有線放送と同様に扱われ、著作隣接権者との許諾手続きが簡素化されました。技術面では、HDTV画質や5.1chサラウンドに対応し、配信にはIPマルチキャストやIPv6が活用され、主にFTTH回線が使用されますが、回線遅延や帯域の問題も課題です。

オンデマンド方式の特徴としては、VODはデータを保存せず端末の記憶容量を圧迫せず、ダウンロード方式は一度保存すれば通信費を抑えられることが挙げられます。一方、地域向けに開発されたIP告知放送は、老朽化した有線放送電話を置き換え、緊急放送の割り込みやワンタッチボタンによる緊急連絡、気象観測装置と連携した総合防災システムとしても機能しています。

代表的なサービスには、日本ではNTTドコモの「ひかりTV」、米国の「AT&T U-verse TV」、韓国の「Genie TV」、台湾の「中華電信MOD」などがあります。これらの技術標準は一般社団法人IPTVフォーラムが推進しており、8つの技術仕様に分類されています。また、IP電話とインターネット電話の関係と同様に、IP放送は専用網を用いた放送型であり、インターネット放送とは厳密に区別されています。