食の安全

食の安全とは、食品の安全性だけでなく、食べ方や食文化まで含めた広い概念であり、生産・流通・消費の各段階で問題が生じ得るため、急性・短期・中期・長期にわたる様々な健康被害を引き起こす可能性があります。過去から現在まで世界各地で重大な事故が相次いでおり、日本の例では水俣病森永ヒ素ミルク事件、1996年のO157集団食中毒和歌山毒物カレー事件などが著名です。歴史を遡ると、古代ローマのワイン偽造や19世紀イギリスのパンへの混入物が問題となり、1820年にはフレデリック・アークムが論文「鍋の中に死がある」で科学的にその危険を指摘しました。このような状況から、現代ではゼロリスクを求めるのではなく、事前のリスク評価と管理が国際的な共通認識となっています。さらに、物理的に危険がない安全と、心配や不安がない安心は異なる概念であり、システムの安全性だけでなく、関係者からの信頼獲得が食の安全には欠かせないとされています。