紋章
紋章(コート・オブ・アームズ)は、個人や家系、組織を識別するための意匠で、完全に同一の図案が存在しないことと世襲的に継承されることの2点が最低限の要件とされる。厳密な意味での紋章はヨーロッパと日本にのみ存在し、それ以外の地域のものは「エンブレム」や「インシグニア」と区別される。西洋紋章の起源は11〜12世紀のヨーロッパで、戦場で兜や鎖帷子に顔を隠した騎士を識別するため、盾に紋様を描いたことが始まりとされ、最古の記録は1010年のドイツ貴族のものとされる。1096年から1270年にかけての十字軍遠征や馬上槍試合(トーナメント)の流行が紋章の急速な普及に大きく寄与し、13世紀中頃までには貴族や騎士の間で広く用いられるようになった。紋章は「紋章記述(ブレイゾン)」と呼ばれる簡潔な隠語で定義され、幾何学的な正確さよりも認識性が重視されるため、描画にはかなりの自由度がある。代表的な例として、イギリス国王の紋章(獅子とユニコーンが盾を支える)やオーストリア=ハンガリー帝国の複雑な国章などが挙げられる。
Source: 紋章 — Wikipedia · Summary by RollWiki AI · Language: Japanese