連邦準備制度

米国の中央銀行制度である連邦準備制度(FRS/FRB)は、ワシントンD.C.にある連邦準備理事会と全国12地区の連邦準備銀行で構成される特殊な組織です。

政府機関である理事会と、民間の金融機関が出資する株式会社形態の連銀が混在する「ハイブリッド」な構造を持ち、株主の影響力は法律で厳しく制限されています(出資規模に関わらず1票のみ、影響力は理事選出6人のみなど)。

政策決定は年8回開催される連邦公開市場委員会(FOMC)が担い、金融政策・銀行監督・ドル紙幣(連邦準備券)の発行・Fedwireなどの決済システム運営を主要業務としています。

創設当初は政府の影響を強く受けましたが、ミルトン・フリードマンや元議長のベン・バーナンキ氏らが指摘した1929年恐慌時の「不作為」という歴史的教訓を経て、戦後の1951年協定により財務省から金融政策の独立性を確保しました。

一方で、2016年のバングラデシュ銀行不正送金事件では、FRBが10ドルの中古ルーターを使用しファイアウォールを無効にしていた等のずさんなセキュリティ実態が発覚し、世界的な中央銀行のリスク管理上の課題として浮上しています。

なお、理事会は14年任期の理事7人で構成され、議長と副議長は4年任期で任命されており、FRB議長は「アメリカで大統領に次ぐ権力者」と称される絶大な影響力を持つ存在です。