超酸化物

超酸化物(スーパーオキシド) とは、スーパーオキシドアニオン(O₂⁻)を含む化学物質の総称で、酸素分子の一電子還元により自然界で広く生成する活性酸素の一種です。不対電子を持つフリーラジカルとして常磁性を示し、O–O結合距離は1.33 Åと二酸素(1.21 Å)と過酸化イオン(1.49 Å)の中間に位置します。化学的には超酸化カリウム(KO₂)が代表的な試薬で、スペースシャトルや潜水艦の化学酸素発生装置における酸素源や二酸化炭素回収剤として実用化されています。生体内では、食細胞がNADPHオキシダーゼにより超酸化物を大量に生成して侵入微生物を殺菌する一方、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)によって過酸化水素へ変換され無害化されます。SOD欠損は慢性肉芽腫症などの免疫不全を引き起こし、MnSODを欠くマウスは神経変性や心筋症により生後21日で死亡することが確認されています。超酸化物は放射線障害や酸素過剰症、加齢に伴う細胞障害など多くの疾病に関与すると推定され、ビタミンCやポリフェノールがその除去に有効とされています。