熱帯低気圧

熱帯低気圧は、熱帯・亜熱帯の暖かい海上で発生する低気圧で、広義では台風ハリケーンサイクロンを含むトロピカル・サイクロン全体を指し、狭義では気象庁が用いる最大風速17 m/s未満のものを指します(2000年6月1日から「弱い熱帯低気圧」から改名)。

中心部に暖気核を持つウォームコア構造が特徴で、海水面から蒸発した水蒸気が凝結する際に放出される潜熱をエネルギー源とし、これは温帯低気圧のエネルギー源(温度差)とは根本的に異なります。

発生海域によって呼称が変わり、北西太平洋では「台風」、大西洋や北東太平洋では「ハリケーン」、インド洋や南太平洋では「サイクロン」と呼ばれ、世界中で年間平均80〜85個発生しています。

暖かい海水をエネルギーとするため、陸に上がると急速に衰えますが、その前に沿岸部では高潮洪水などの甚大な被害をもたらす一方、干ばつを緩和する効果や熱を熱帯から温帯へ運ぶ気候調節の役割も果たします。

移動中に進路を変える「転向」があり、日本では北海道・本州・四国・九州の四島に達した場合のみ「上陸」と表現されます。

近年は気候変動により海面水温が上昇し、熱帯低気圧の持続時間や強度が増加する可能性が指摘されています。