不法滞在
不法滞在とは、他国の出入国管理法に違反して入国する行為や、合法的に入国後に在留資格を失ったまま滞在し続けることを指し、経済格差や迫害、難民認定の厳格さなど様々な事情から発生します。国際機関では「illegal(不法)」という表現には差別的含意があるとして、中立的な「非正規滞在」という用語を推奨しています。
この現象は大きく、在留期限を過ぎて残留する不法残留(オーバーステイ) と、上陸許可を受けずに入国する不法入国(密入国)に大別されます。各国の対応は様々で、アメリカの「聖域都市」や、2026年に不法滞在者の一部合法化を打ち出したスペインのような例もある一方、カナダでは難民制度を厳格化する動きが見られています。
日本の不法滞在者は、1993年(平成5年)の約30万人をピークに減少を続けましたが、2015年からは再び増加に転じました。2020年1月には82,892人まで増えたものの、新型コロナウイルス対策の入国制限により2022年7月には1989年以降最少となる58,241人まで激減し、その後の制限緩和で2025年1月時点では74,863人となっています。
こうした状況を受けて、日本政府は2024年6月に、難民申請が3回目以降の外国人は「難民認定すべき相当の理由」を示せなければ送還できるようにする入管難民法の改正法を施行しました。さらに2025年5月には「不法滞在者ゼロプラン」を発表し、日本版ESTA(JESTA=ジェスタ)の導入や、難民申請処理期間の短縮、強制送還者の増加といった具体的な目標を掲げています。
この増加要因として、2013年以降の東南アジア諸国へのビザ緩和による観光客やビジネス関係者の増加、そして経済回復に伴う技能実習生や留学生の来日が挙げられます。特にベトナム人が急増しており、2023年の技能実習生の入国者の約45.3%をベトナム人が占め、2012年比で約11.4倍に達しています。
深刻なのが技能実習生の失踪問題であり、2023年の失踪者は9,753人で、その約56%をベトナム人が占めています。2018年の野党分析では、失踪した実習生の約67%が最低賃金未満、約10%が「過労死ライン」とされる月80時間を超える残業をしていたことが指摘されており、劣悪な労働環境の実態が浮き彫りになっています。
Source: 不法滞在 — Wikipedia · Summary by RollWiki AI · Language: Japanese