放射線

放射線とは、粒子放射線(α線、β線、中性子線)と電磁放射線(γ線、X線)の総称で、物質中の原子や分子を電離・励起させる働きがあります。私たちは世界平均で年間約2.4ミリシーベルトの自然放射線を浴びていますが、人間の五感では感じられないため、検出には専用の測定器が不可欠です。

歴史的には、1895年のレントゲンによるX線発見が放射線研究の始まりであり、その後の防護研究を受けて、国際放射線防護委員会(ICRP)は1990年勧告で一般公衆の年間被曝量を1mSv以下に抑えるよう推奨し、2007年勧告では状況に応じて個人が利益を受ける場合の1~20mSv、事故時には20~100mSvという上限値を定めています。

放射線の防護は種類によって異なり、α線は紙一枚でも遮へいできますが、透過力の強いγ線やX線には原子番号の大きい鉛などの遮蔽材が効果的です。

その危険性にもかかわらず、放射線は透過性や化学作用を活かし、医療、工業、農業など幅広い分野で有用な技術として利用されている重要なものです。