比亜迪汽車

比亜迪(BYD)は、中国・深圳を拠点とする自動車メーカーであり、電池製造から車両組み立てまでを一貫して手がける垂直統合モデルを強みに、2025年の純EV販売台数で米テスラを上回り世界首位となった。販売台数は2023年に前年比62%増の約302万台へ急拡大し、2024年には中国国内市場で長年中国一だった上汽集団を抑えて初めて首位に立ち、PHEVを含む世界全体では約460万台と世界第6位に成長している。

技術の核は、高安全性・長寿命・低コストを謳う自社開発のリン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」であり、トヨタ自動車やテスラの車種にも採用されるなどその優位性が高い点。さらに海外展開を加速させており、2023年1月から日本市場で乗用車の販売(「ATTO 3」を440万円設定など)を開始し、タイの新工場や2030年までの海外販売比率50%を目標にしている。

その急成長を支える独自の仕組みとして、「迪鏈(Dチェーン)」と呼ばれるサプライチェーン金融システムがある。これは部品メーカーへの支払いを現金ではなく、満期まで現金化できない電子債権証明で行うもので、支払いを8~10か月間延期でき、自社の資金を圧縮する一方で、サプライヤーの過大な負担となっている。これに対応するため、中国人民銀行などは2025年6月15日から新たな規制(銀発〔2025〕77号)を施行し、電子証憑の支払期限を原則6か月以内・最長1年までに制限し、従来の運用に明確な歯止めをかけた。