志摩スペイン村

志摩スペイン村(三重県志摩市)は、近畿日本鉄道(近鉄)が開発した複合リゾートで、1994年に中核施設のテーマパーク「パルケエスパーニャ」を中心に開業しました。開発の背景には1988年に策定された「三重サンベルトゾーン構想」があり、スペインがテーマに選ばれたのは、志摩のリアス式海岸がスペイン語の「リア(入り江)」に由来することや、当時開催が迫っていたバルセロナオリンピックとセビリア万博でスペインへの関心が高まったことなどが理由です。総面積は約113ヘクタール(東京ドーム約24個分)と広大ですが、伊勢志摩国立公園内の特別地域に指定されているため、植栽や芝生化など環境保全に配慮した設計がなされています。一方、バブル崩壊の影響で開発計画は縮小され、当初予定の680億円から最終的には600億円へ変更、ホテルは500室から252室に半減し、周辺の住宅ゾーン開発は頓挫しました。さらに2001年のユニバーサル・スタジオ・ジャパン開業を受け、差別化戦略として天然温泉「ひまわりの湯」を開業しましたが、海洋への排水規制や漁業補償の問題から、本来の掛け流しではなく循環ろ過方式での運営が続いています。このように、大規模リゾート計画は当初の縮小や自然環境との折り合いを経ながらも、約30年以上にわたり「こころの再発見」を理念に伊勢志摩の観光を支える存在として知られています。