祭(まつり)は、本来は神仏や祖先をまつる儀式を指す言葉ですが、現代では映画祭や大学祭など、宗教と直接関係のない催事も含む広い概念となっています。その起源は狩猟や農耕時代の豊猟・豊穣への感謝と祈りにあり、ジェームズ・フレイザーの『金枝篇』にも示されるように、野獣の主(ぬし)への信仰や収穫祭に基づいています。祭りは地域固有のもの(例:ハロウィーン)から世界宗教に基づくもの(例:キリスト教の復活祭、イスラム教の犠牲祭)まで多様で、フィリピンのブラックナザレ祭のように特定の国だけで独自に発展した例もあります。参加者が特に多い祭りとしては、世界95カ国で祝われる復活祭や、2008年北京オリンピック開会式(20億人以上が視聴)が挙げられ、特定国ではドイツのオクトーバーフェストが毎年約600万人を集めます。日本語の「まつり」は「まつる」に由来し、漢字表記によって意味が異なり、「祀り」(祈り)、「祭り」(慰霊)、「奉り」(献上)、「政り」(政治)などがあります。古代日本では祭政一致の体制であり、卑弥呼のように祭祀を司る者が政治も行っていたことから、政治を「まつりごと」と呼ぶ由来となっています。