密漁

密漁とは、国際間の協定や法令に違反して魚介類を捕獲する行為で、陸上の動物を不法に捕る密猟と区別されます。日本では2020年10月30日、政府が流通の透明化を図るため、密漁被害が深刻なアワビやナマコ、ウナギなどに「漁獲番号」を付け、取引記録の保存を義務づける新法案を閣議決定しました。

国内では、アワビやナマコの密漁品が一定の割合で流通しており、経済的に困窮したプロの漁師が暴力団に転売するケースが多いのが実態です。ただ、善良な漁師からの情報提供によって検挙に結びつくことが多く、2017年には約2,600件の密漁事犯が摘発されています。

日本の漁業法における密漁の罰則は、罰金最大200万円と比較的軽いのが実情ですが、外国人の密漁に対しては「外国人漁業規制正法」により、最大3,000万円の罰金が科せられ、2024年からはさらに罰則が強化されました。

外国漁船による被害も深刻で、対馬沖では韓国船が、2011年以降は中国船によるサンゴの密漁が増加し、2014年には小笠原や伊豆諸島の排他的経済水域で数百隻の中国船が発見・逮捕されるなどしています。また、フィリピンのトゥバタハ礁(2013年)やエクアドルのガラパゴス諸島(2017年)など、世界遺産の海域でも中国船による珍しい魚介類の密猟事件が相次いで報告され、国際的な海洋保護の課題にもなっています。